【情意評価は要注意】外国人社員の評価基準の作り方

【情意評価は要注意】外国人社員の評価基準の作り方

外国人社員の人事評価基準において、どういった項目を重要視していますか?

評価基準の明確化や目標設定は、彼らの成長とモチベーションの向上、企業への貢献に不可欠です。

今回は、外国人社員を評価する際の注意点と重要視すべき項目についてお伝えします。

外国人社員のモチベーションが向上する評価基準4選

言語能力を評価基準・査定の項目に設けない 


外国人社員に日本人社員と同等の日本語レベルを期待するのはやめましょう。 下記のような理由でマイナス査定にすると、モチベーションが落ちてしまう社員が出てくる可能性があります。

言葉の理解が不十分である(聞き間違い、言い間違いが多い) 

言葉遣いが悪い(尊敬語・謙譲語の使い分けが出来ない) 

書類に誤字脱字がある


ですから、日本語の学習を促したい場合は日本語検定試験(JLPT)のような検定試験を用いることで明確で分かりやすくなります。日本人社員にプラスαで昇給要件として課したり、資格取得手当を出したりするなど評価基準を見直してみることも方法の一つです。

外国人実務能力試験(PATF)

入社試験や昇進試験に活用も!

外国人実務能力検定(PATF)

日本の文化やビジネスマナーを理解していただくことを目的として実施しています。習熟度に応じて階級が分けられているので、どの程度のビジネス能力を有しているか判別が可能です。

文化の違いを考慮する

挨拶をしない

報・連・相が出来ない 


上記は文化の違いであり、社内教育で改善できる可能性があります。したがって、マイナス査定にせず、改善点として指導した方が良いでしょう。 指導の際は下記を参考にしてみてください。

コラム

【外国人教育担当必読】外国人社員へのOJTで注意すべきこと

日本語能力試験N1・N2だからといって、必ずしも日本人と同じように仕事ができるとは限りません。外国人社員が本来の力を発揮するために必要な支援とは?

また、それと同時に受け入れ企業の日本人社員も彼らの文化や職業観を理解し、歩み寄りながらマネジメントしていく必要があります。ですから、外国人社員の教育だけでなく、一緒に働く日本人社員の異文化間理解教育同時に進めていくことが大切です。

【日本人現場責任者・一般社員向け】異文化間コミュニケーション研修

外国人採用企業のOJT担当・現場責任者向け

異文化間コミュニケーション研修

外国(主にアジア圏)と日本の社会や文化の違いを理解することを通して、外国人と働く際に起こるさまざまなトラブルの対処法を身につけることができます。

評価基準を明確にする 

人事評価には、成果評価・能力評価・情意評価の3つの評価基準があります。これらそれぞれにおいて、


チェック何が出来たら昇給するのか 
チェック何が出来ないとマイナス査定になるのか 


を明文化し、丁寧に説明することが重要です。 特に情意評価では、協調性や積極性、責任感などを見ますが、曖昧な基準になりがちです。こちらの点に注意して作成することをお勧めします。
また、査定結果については、個別に面談し、評価表を提示するようにしましょう。 

強みを活かせる査定項目を設ける 


フィリピン、インド、スリランカなどは、英語が堪能な人が多いので、英検やTOEICなどをプラス査定の項目に加えると良いでしょう。 
また、インバウンド需要の増加により、ホテルや飲食などのサービス業では、母国語を活かした接客が出来るので、このような点もプラス査定の項目に加えると良いでしょう。 

この記事を書いた人

佐々木敦也

日本ビジネス能力認定協会理事 佐々木敦也

アメリカ駐在を経て、1991年にソフトウェア会社を設立。代表取締役として会社を経営する傍ら、外国籍社員の採用・育成を行う中での経験を教材にまとめ、2015年に日本ビジネス能力認定協会を設立した。

著書:『外国人実務能力検定公式テキスト